校長からのメッセージ

校 長 東 健 司

 

本校は、1963年に大阪府立工業高等専門学校として設立され、大阪府立大学工業高等専門学校を経て、2022年に「大阪公立大学」の設立に合わせて、学校名称を「大阪公立大学工業高等専門学校」に変更し、新しい教育組織・内容(コース再編・カリキュラム改革・大阪府域外募集・専攻科廃止・キャンパス移転)を実施・推進しています。

 本校は、5年間の一貫した専門技術者教育を実施しており、その養成する人材像は、「進取」の気性を持って常に専門性を高められる技術者、学び考えたことを積極的に「実践」できる技術者、そして「共生」の視点で社会に貢献できる技術者です。本科卒業生は、その6割程度が民間企業や公的機関・団体等に就職し、約4割が他大学へ編入・進学します。高専生の就職率は100%であり、入学後の進路変更も含め、学生の希望に沿った多様な選択肢を提供して、約60年間、産業界の第一線で活躍できる技術者リーダーを多く輩出しています。

 近年、少子化問題、国際的競争の激化、価値観の多様化、インターネットの普及に伴う開発商品の多様化等、社会の変化が今まで以上に多様化・急速になってきており、この社会変化に対応できる総合的な能力を持つ技術者が必要とされています。特に、今後のデジタル革新(DX;デジタル・トランスフォーメーション)を契機に、第5段階の新たな社会(Society5.0)への変革の時を迎えています。この新しい社会で重要な鍵を握るのは、データサイエンス、IoT、AI(人口頭脳)等を中心とする先端技術であり、産業界においては、そうした技術を使いこなし、新規の付加価値の創出や革新的な効率化を通じて、生産性向上等に寄与できる新しいビジネスの担い手である「次世代グローバルDX技術者」の育成が期待されています。

 こうした期待に応えていくためには、高専教育の更なる高度化が求められています。本校の教育プログラム「総合的な工学教育システムを背景にしたデータ思考力の涵養」は、文部科学省による審査の結果、「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」に認定されました。この教育プログラムは、学生の数理・データサイエンス・AIへの関心を高め、かつ、数理・データサイエンス・AIを適切に理解し、それを活用する基礎的な能力を育成する事を目的として、数理・データサイエンス・AIに関する知識と技術について体系的な教育を行うものです。また、本校の「DXマインドの気付き・動機付けから始める専門技術者の育成」が、文部科学省より「デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業」として、採択されました。これは、DX技術者育成用の最新の実験・実習用設備の購入費として補助されたものです。このように、皆さんが、次世代グローバルDX技術者として、育って頂くための教育プログラム・教育設備等を用意しております。

 本校での課外活動は、皆さんもよくご存知でしょうが、テレビ等でよく放映されている全国高専ロボットコンテストです。デザイン、作成、組立、設置、制御など全てゼロから学生自らがロボットを製作するのです。本校は全国大会に4年連続出場している事をご存知の生徒さんもおられるでしょう。

 入学を希望される皆さんや、学生の夢を実現できる実践的で、かつ教養溢れる人材育成教育の取組みを進めて参ります。加えて、皆さんの夢の実現や個々の価値感の多様化に対応できる次世代グローバルDX技術者を育成する高専教育を提供していきます。