新着情報
2026年1月13日
- 学校からのお知らせ
令和8年 年頭あいさつ
皆さん、健やかに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。
今、政治だけでなく技術の世界も激動の渦中にあります。生成AIの急速な普及、カーボンニュートラルに向けたグリーン・トランスフォーメーション(GX)の加速など、技術の進化は、私たちの想像を上回るスピードで社会のあり方を変え続けています。
こうした時代だからこそ、社会が切実に求めているのは、確かな技術力と柔軟な思考を兼ね備え、なおかつ本校で重視しているDXもできる「実践的なエンジニア」です。その育成を担う本校の使命は、かつてないほど重要になってきていると感じています。
さて、昨年4月に校長として着任し、あっという間の9ヶ月でした。右も左も分からない私を温かく迎えてくださった皆さんに、改めて心より感謝申し上げます。
昨年4月の着任時にお伝えした通り、私は皆さんの声を直接聞くべく、総合工学システム学科における各コースのミーティングなど様々な会議に参加させていただきました。現場の課題や教育への熱意に触れ、対話を重ねる中で、私自身が本校の強みを深く学ぶ貴重な時間となりました。なお、この対話の取り組みはこれで終わりでなくこれからも続けていきますので、今後も皆様からの忌憚のないご意見をいただきますようお願いします。
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次に学生たちのことに関してです。高専4大コンテストをはじめとする様々なコンテストや高専祭を通じて学生たちの熱意や活躍には本当に感動しました。例えば夏の大阪・関西万博において吉村大阪府知事を迎えて堂々とVR操縦ロボットを披露したろぼっと倶楽部、そして来場された方々へ技術の楽しさを伝えた女子学生有志団体ROSEの姿を間近で拝見し、その頼もしさに目を見張りました。こういった学生たちの活躍する姿は、まさに本校の宝です。
小学生ロボコンなどをはじめとする小中学生向けのイベントなどにも参加してまいりました。直接受験生獲得には結びつかないようなことにも積極的に取り組まれ、将来エンジニアを志す子どもたちの可能性を、時間をかけて丁寧に育成する地域貢献活動にも尽力されている姿に感動しました。
将来の大阪公立大学工学部との連携を見据え、6月には双方の執行部で意見交換会を開催できたことも大きな一歩でした。今年3月の「高専Tec Challenge」では、工学研究科長に審査委員を快諾していただきました。これは単なる行事協力ではなく、実質的な連携の「スタート」となる重要な試みです。
また、グローバル社会で活躍できる高度な実践的技術者の育成については、海外短期留学やインターンシップへの費用支援を開始しました。世界を肌で感じる経験が、学生たちの視野を大きく広げてくれることを確信しています。
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着任以来、大学との仕組みの違いに戸惑うこともあり、皆さんにはご心配をおかけしている点もあるかと思います。しかし、この数ヶ月で痛感したのは、高専における「教育」の重みです。
一方で、優秀な教員を確保し、学生に未知の領域を切り拓く「研究マインド」を植え付けるためには、研究環境の整備も欠かせません。教育を最優先としつつも、教職員の皆さんが研究に打ち込める環境、ひいてはそれが学生への刺激やロールモデルとなるような、高専らしいバランスのとれた環境づくりを模索していきたいと考えています。
こういった取り組みは一年で終わるものではなく継続した取り組みが必要です。皆様のご協力がなければ実現できません。また、キャリア教育やリカレント教育などに関してもこれまで以上に重要な取り組みになると考えています。ただし手広く何でも自分たちでやるのではなく、外部の機関とうまく連携して効果を最大限に発揮できるような仕掛けを考えてまいります。
さて、本年の最大の課題は中百舌鳥キャンパスへの移転です。移転先となるB2、B3棟の改装や部室棟などの新設等の目処もたちました。当初の厳しい制約を教職員の皆さんが議論を積み重ね、検討していただいたことで、より良い教育・研究環境を整える方向性が見えてきました。2026年は、いよいよ本格的な移転作業が始まります。この大きな壁を、皆さんの知恵と協力で乗り越えていきたいと強く願っています。
2026年も、引き続きDXを推進した質の高い教育を堅持するとともに、大阪公立大学工学部執行部との対話を深め、お互いの理解をより強固なものにしていきます。
「伝統を守りながら、新しい大阪公立大学工業高等専門学校の形を創る」。その道は決して平坦な道のりではありませんが、皆さんと共に一歩ずつ進んでいければ幸いです。
本年が、皆さんにとって、そして学生たちにとって、実り多き素晴らしい一年となりますことを祈念し、私の年頭の挨拶といたします。
2026年1月
大阪公立大学工業高等専門学校
校長 秋田 成司