DX人材育成を目指したデータ思考力の涵養(数理‧データサイエンス‧AI教育プログラム)
◆本校プログラム名称
DX人材育成を目指したデータ思考力の涵養※
⼤阪公⽴⼤学⾼専では、平成28年度から実施してきた教育プログラムが、令和2年度に完成し、令和3年8月4日から令和7年3月31日まで、「総合的な工学教育システムを背景にしたデータ思考力の涵養」として認定されていました。この取り組みは、時代の変化に対応したかたちで改善し、「DX人材育成を目指したデータ思考力の涵養」として再認定されました。この教育プログラムは、本校に⼊学するすべての学⽣に対し、リテラシーレベルの数理‧データサイエンス‧AI教育プログラムを本校本科⽣の「卒業時に⾝につけるべき学⼒や資質‧能⼒」の本科達成⽬標に基づき実施しています。
※本プログラムは、文部科学省 数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)に認定されています。
(認定の有効期限:令和8年4⽉1⽇から令和11年3月31日まで)


◎本校申請内容
★令和3年8月4日から令和8年3月31日まで、「総合的な工学教育システムを背景にしたデータ思考力の涵養」として認定されていたプログラム
◆取組概要
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大阪公立大学工業高等専門学校 数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル) |

本プログラムは、文部科学省 数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)に認定されています。
図1 令和8年度認定の取り組み概要
大阪公立大学工業高等専門学校(以下、本校)は、令和3年8月4日に【数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)】の第1期として、「総合的な工学教育システムを背景にしたデータ思考力の涵養(図1以下、前プログラム)」という教育プログラム名で認定を受けています。その後、毎年プログラムの実施に関して改善を行い、図2に示すように例年修了者数を向上させてきました。
しかしながら、その後も人工知能技術の進化が急速に進む業界情勢を鑑み、本校では、DX人材育成を目指したデータ思考力の修得が今後のAIとの共創時代には必須と考え、令和4年度に低学年から数理・データサイエンス・AIを学ぶことができる科目を展開することとし、「DX人材育成を目指したデータ思考力の涵養(以下、本プログラム)」の実施をスタートしました。
この低学年から始まるDX人材育成のイメージを図3に示します。このように、入学時から総合的な工学システム概論を履修することで、SDGsなどに代表される近年の温暖化や人口爆発にともなう資源の枯渇など、地球レベルで相互に絡み合った複雑な問題の背景を知り、総合工学実験実習では、AI関連技術を実験実習科目で体験的に学習し、かつ、数理データサイエンスに必要な知識やスキルは情報Ⅰと情報Ⅱを学ぶという、入学時から2学年までの間に、前プログラムのポリシーを受け継ぐ取り組みへと改善しました。
なお、前プログラムでは4年次開講のインターンシップを中核に据えていますが、その代替として、総合工学実験実習の一環として1年次修了後の春休み期間中に、地元企業:株式会社カネカの大阪工場内にある安全体感学習施設において、ものづくり現場で実際に起こり得る事故について、VR機材や実寸サイズモデルの圧延機器などを用いた巻き込み事故を体感する経験学習を盛り込んでいます。また、数学/物理/実験については、1年次と2年次で修得できる科目で完結させています。
このように本校では、前プログラムにおける総合的な工学教育システムの背景を継承しながら、現在でも急速に進化するAI技術を学び、数理データサイエンスの知識やスキルを身につけたDX人材育成を目指しています。なお、本プログラムは、入学後の1~2学年の2年間・13科目(内1科目は選択必修科目・2年次DX実験)・29単位で実施しています。このように実施することで、3~5学年で応用基礎レベルの申請も見据えています。

図2 認定後の修了者の推移

図3 DX人材育成を目指した本校の5カ年教育実践のイメージ図
◆実施体制
| 委員会・組織等 | 役割 |
| 教務担当副校長 | 運営責任者 |
| 大阪公立大学工業高等専門学校運営会議 | プログラムを改善・進化 |
| 公立大学法人大阪大阪公立大学工業高等専門学校運営審議会 | プログラムの自己点検・評価 |
◆事業計画
再認定後は、データ思考力をもち、卒業後は企業等の現場でDX革新を推進できるエンジニアとして活躍できる人材育成を目標に、さらなるプログラムの改善を行う。また、企業説明会という学内で開催する就職マッチングイベントの出展企業等に本プログラムのPRを行い、あわせて、フィードバックも求め、改善を推進することを計画している。
さらに、以前に認定されていたプログラムからデータ的思考に必要な科目を低学年で開講する形式に改善した。これにより、高学年では、数理・データサイエンス・AI教育プログラムの応用基礎レベルの認定に向けて申請準備(2026年度事前申請)も行っている。
◆学生等が身に付けられる能力等
本プログラムを学修することにより、⼈間の社会活動において多様な形でデータが利活⽤されていることを理解し、それらの利活⽤が産業界の⽣産現場等でも求められており、その現場の⽣産性を高めるDX(デジタル・トランスフォーメーション)化の推進に協働できるDX⼈材に必要な情報スキルや、コミュニケーションスキルおよびICT能⼒に対するリテラシーレベルの素養を⾝につけることができる。
◆修了要件
総合工学システム概論、総合工学実験実習、情報Ⅰ、情報Ⅱ、基礎数学A、基礎数学B、基礎数学C、微積分1、微積分2、ベクトル・行列、基礎物理1、基礎物理2の12科目および、「機械工作実習1、機械工作実習2、エレクトロニクス実験実習、工学基礎実習」の中から1科目の13科目、29単位を取得すること。
◆プログラム構成科目
必要最低科目数・単位数 13単位
29単位
| 授業科目 | 単位数 | モデルカリキュラム対応状況 | |||||||||||||||||||||
| 1-1 | 1-2 | 1-3 | 1-4 | 1-5 | 1-6 | 2-1 | 2-2 | 2-3 | 3-1 | 3-2 | 4-1 | 4-2 | 4-3 | 4-4 | 4-5 | 4-6 | 4-7 | 4-8 | 4-9 | その他 | |||
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(1)必須科目(プログラムを修了するために必ず履修しなければならない科目) ※卒業要件上の必修科目とは必ずしもイコールではない |
総合工学システム概論 | 1 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||||||||||||
| 総合工学システム実験実習 | 4 | 〇 | |||||||||||||||||||||
| 情報Ⅰ | 2 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||||||||||||
| 情報Ⅱ | 2 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||||||||||||
| 基礎数学A | 2 | 〇 | |||||||||||||||||||||
| 基礎数学B | 2 | 〇 | |||||||||||||||||||||
| 基礎数学C | 2 | 〇 | |||||||||||||||||||||
| 微積分1 | 2 | 〇 | |||||||||||||||||||||
| 微積分2 | 2 | 〇 | |||||||||||||||||||||
| ベクトル・行列 | 2 | 〇 | |||||||||||||||||||||
| 基礎物理1 | 2 | 〇 | |||||||||||||||||||||
| 基礎物理2 | 2 | 〇 | |||||||||||||||||||||
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(2)選択必須科目(プログラムを修了するために一定の条件のもと履修しなければならない科目) |
機械工作実習1 | 4 | 〇 | ||||||||||||||||||||
| 機械工作実習2 | 4 | 〇 | |||||||||||||||||||||
| エレクトロニクス実験実習 | 4 | 〇 | |||||||||||||||||||||
| 工学基礎実習 | 4 | 〇 | |||||||||||||||||||||
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(3)選択科目(プログラムを構成する科目のうち「必須科目」「選択必須科目」のいずれにも該当しない科目) |
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◆プログラムを構成する授業の内容
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授業に含まれている内容・要素 |
授業に含まれているスキルセットのキーワード |
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(1)現在進行中の社会変化(第4次産業革命、Society 5.0、データ駆動型社会等)に深く寄与しているものであり、それが自らの生活と密接に結びついている |
1-1 |
第4次産業革命、Society 5.0、データ駆動型社会 | 「総合工学システム概論」(1回目、2回目) |
| MD-DX実験 | 「機械工作実習1、機械工作実習2」(2回目、16回目) | ||
| EI-DX実験 | 「エレクトロニクス実験実習、工学基礎実習」(2回目、16回目) | ||
| 1-6 | AI最新技術の活用例(深層生成モデル、強化学習、転移学習、生成AIなど) | 「総合工学システム実験実習」(22回目:プログラミング体験) | |
| (2)「社会で活用されているデータ」や「データの活用領域」は非常に広範囲であって、日常生活や社会の課題を解決する有用なツールになり得るもの |
1-2 |
AI最新技術の活用例(深層生成モデル、強化学習、転移学習、生成AIなど) |
「総合工学システム実験実習」(22回目:プログラミング体験) |
| 1-3 |
データ・AI活用領域の広がり(生産、消費、文化活動など) | 「情報Ⅰ」(6回目、8回目) | |
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研究開発、調達、製造、物流、販売、マーケティング、サービスなど |
「総合工学システム概論」(10回目) | ||
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(3)様々なデータ利活用の現場におけるデータ利活用事例が示され、様々な適用領域(流通、製造、金融、サービス、インフラ、公共、ヘルスケア等)の知見と組み合わせることで価値を創出するもの |
1-4 | データ可視化:複合グラフ、2軸グラフ、多次元の可視化、関係性の可視化、地図上の可視化、挙動・奇跡の可視化、リアルタイム可視化など | 「情報Ⅱ」(3回目、4回目) |
| 1-5 |
データサイエンスのサイクル(課題抽出と定式化、データの取得・管理・加工、探索的データ解析、データ解析と推論、結果の共有・伝達、課題解決に向けた提案) | 「総合工学システム概論」(7回目) | |
| データサイエンスのサイクル(課題抽出と定式化、データの取得・管理・加工、探索的データ解析、データ解析と推論、結果の共有・伝達、課題解決に向けた提案) | 「情報Ⅱ」(4回目、5回目) | ||
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(4)活用にあたっての様々な留意事項(ELSI、個人情報、データ倫理、AI社会原則等)を考慮し、情報セキュリティや情報漏洩等、データを守る上での留意事項への理解をする |
3-1 |
倫理的・法的・社会的課題(ELSI:Ethical, Legal and Social Issues) |
「情報Ⅰ」(9回目) |
| 3-2 | 匿名加工情報、暗号化と復号、ユーザー認証と、パスワード、アクセス制御、悪意ある情報搾取 | 「情報Ⅱ」(9回目) | |
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(5)実データ・実課題(学術データ等を含む)を用いた演習など、社会での実例を題材として、「データを読む、説明する、扱う」といった数理・データサイエンス・AIの基本的な活用法に関するもの |
2-1 |
データの分布(ヒストグラム)と代表値(平均値、中央値、最頻値) | 「情報Ⅰ」(12回目) |
| 代表値の性質の違い(実社会では平均値=最頻値でないことが多い) | 「情報Ⅰ」(12回目、13回目) | ||
| データのばらつき(分散、標準偏差、偏差値)、外れ値 | 「情報Ⅰ」(13回目) | ||
| 2-2 |
データ表現(棒グラフ、折れ線グラフ、散布図、ヒートマップ、箱ひげ図) | 「情報Ⅰ」(10回目) | |
| データ表現(棒グラフ、折れ線グラフ、散布図、ヒートマップ、箱ひげ図) | 「情報Ⅱ」(1回目) | ||
| 相手に的確かつ正確に情報を伝える技術や考え方(スライド作成、プレゼンテーションなど) | 「総合工学システム概論」(8回目、9回目) | ||
| 2-3 |
データの並び替え、ランキング | 「情報Ⅰ」(11回目) | |
| データ解析ツール(スプレッドシート、BIツール) | 「情報Ⅱ」(5回目) | ||
| データの取得(機械判読可能なデータの作成・表記方法) | 「情報Ⅱ」(4回目) | ||
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以下のオプションを含むもの 4-1 統計および数理基礎 4-2 アルゴリズム基礎 4-3 データ構造とプログラミング基礎 4-4 時系列データ解析 4-5 自然言語処理 4-6 画像認識 4-7 データハンドリング 4-8 データ活用実践(教師あり学習) 4-9 データ活用実践(教師なし学習) |
4-1 |
関数の基本的な定義や定理 | 「基礎数学A、基礎数学B、基礎数学C」(全回) |
| 微分と積分の基本的な定義や定理 | 「微分積分1、微分積分2」(全回) | ||
| ベクトル行列の基本的な定義や定理 | 「ベクトル・行列」(全回) | ||
| 4-2 | |||
| 4-3 | |||
| 4-4 |
台車の運動解析 | 「基礎物理1」(9回目) | |
| 単振動 | 「基礎物理2」(12回) | ||
| 4-5 | 動画作成 | 「総合工学システム概論」(12回目、13回目) | |
| 4-6 | 生成AIの利用方法とガイドライン、プロンプトエンジニアリング | 「情報Ⅱ」(14回目) | |
| 4-7 | |||
| 4-8 | |||
| 4-9 | |||
| その他 | |||
◆自己点検・評価結果
| 認定制度の審査項目 | 点検・評価結果 | |
| <学内からの視点・取組> | ||
| ① | 教育プログラムの履修・修得状況、学修成果に関する事項 | 良好 |
| ② | 学生アンケート等を通じた、学生の内容の理解度に関する事項 | 良好 |
| ③ | 内容・水準を維持・向上しつつ、より「分かりやすい」授業とする取組 | 良好 |
| <学外からの視点> | ||
| ④ | 産業界からの視点を含めた教育プログラム内容・手法等への意見 | 要改善 |
| ⑤ | 教育プログラム修了者の進路・活躍状況、企業等の評価に関する事項 | 良好 |
