研究室のイベント

2020年8月4日

  • 2020年度

2020年度第08回電制研ゼミ開催!

8/4の卒研の時間に,今年度の第08回電制研ゼミを行いました!

第8回目は庄司君!今年度の書籍は電気学会・半導体電力変換システム調査専門委員会が編纂した「パワーエレクトロニクス回路」を元に資料を作成してくれました。

2020_08_04 (7) 2020_08_04 (6)
2020_08_04 (5) 2020_08_04 (4)

8回目の発表は交流変換回路について説明を行ってもらいました。交流変換回路はAC-ACコンバータと考えますが,その手順としては間接変換回路と直接変換回路の2種類があります。間接変換回路はAC-DC-AC変換回路となり,入力と出力の部分で見た時にAC-AC変換と考えることができます。この間接変換回路は整流回路(PFCコンバータ)+インバータで構成されます。前段のPFCコンバータで高力率を維持しつつ電圧を変換し,後段のインバータで周波数を変化することができます。しかし,この変換回路方式はエネルギー蓄積素子であるLやCが必要になってしまいます。

それに対し,サイクロコンバータやマトリックスコンバータは直接変換が可能であり,エネルギー蓄積素子を必要としません。そのため,電解コンデンサの寿命などに悩まされることもない夢のような回路となっています。ただし欠点もあり,3相以上でないと変換ができません。そのため,単相や2相の場合は間接変換回路を用いる必要があります。何事も適材適所ですね。

そんな直接変換回路の一つであるマトリックスコンバータですが,スイッチングパターンなどの動作を考えることが非常に難しいです。そこで考案された方式が「仮想AC-DC-AC変換方式」と呼ばれる手法で,整流回路(AC-DC)部とインバータ(DC-AC)部のスイッチングパターンをマトリックスコンバータのスイッチングパターンに対応させております。そうすることで,制御手法が容易な間接変換回路と同じ動作を,効率が良いマトリックスコンバータに当てはめることができます。そのまま対応させると波形の歪みが多いのですが,現在はその歪みの問題も解決されており,マトリックスコンバータの実用化に成功しているという経緯があります。

難しい内容でしたが,無事に発表を終えてホッとしているようでした。この調子で中間報告会もスムーズに行けばいいですね!

  


本研究室のご支援をご検討されている方は下記リンクをご参照ください。

大阪公立大学・高専基金