研究室のイベント

2023年10月3日

  • 2023年度

2023年度第10回電制研ゼミ開催!

10/3の卒研の時間に,今年度の第10回電制研ゼミを行いました!

今年度のゼミのテーマは「電力工学」になります。電力工学は電験三種でも出題される重要な分野であり,新カリキュラムであるエレクトロニクスコースにおいても「電力技術」として科目を用意しております。

第10回目は目春君!今年度は森北出版の「電気エネルギー工学 新装版 発電から送配電まで」を元に資料を作成してくれました。非常に広範囲に渡る範囲を1冊に体系的にまとめた良書です。

第10回目の発表は「対称座標法」についてでした。

2023_10_03 (1) 2023_10_03 (2)

対称座標法は三相交流の3つの成分を独立に扱い,別の3つの成分に変換して扱う方法です。対称座標法のメリットとして,三相回路の平衡状態が故障時などに不平衡状態となってしまった際に,故障などにおける回路を簡単に表現する事が可能となります。

対称座標法はまず,三相交流の各成分のベクトルを全て1/3に分割します。次に,3分割×3相分で合計9個のベクトルを,1相目はそのまま,2相目と3相目は正転と逆転で120度ずつシフトさせた組み合わせを用意します。その成分を零相,正相,逆相としてそれぞれを組み合わせて合成します。この組み合わせた三相交流は不平衡三相交流から平衡三相交流へと変換されます。

これにより,平衡三相交流による計算を行った後に,逆演算を行うことで結果的に不平衡三相交流の問題を解いたことになります。対称座標法は地絡事故などにより不平衡になったときの地絡電流などを求めることができます。これらは電験の問題にも出題されますので,ぜひとも覚えておきたいテクニックですね!

  


本研究室のご支援をご検討されている方は下記リンクをご参照ください。

大阪公立大学・高専基金