研究室のイベント
2025年8月19日
- 2025年度
電気学会産業応用部門大会@徳島に参加しました!
8/19(火)~8/21(木)にかけて徳島大学常三島キャンパスで開催された,電気学会産業応用部門大会に参加しました。今回は川上先生,榎倉と専攻科生2名,本科生2名の計7名が帯同しました。去る令和7年電気学会全国大会もここで開催され,また私はプライベートでも年に1回程度のペースで訪れており,偶然にも縁を感じております。
なお,本研究室からの発表は,YPC(ヤングポスターコンペティション)から1件,一般セッションは2件でした。特にYPCは乾さんの初の学会発表となりました。70分の長時間でしたがしっかりやり切っていただけたのではないかと思います。竹中君の発表は朝イチからでありましたが,しっかり事前準備して臨んだようで,非常に素晴らしい出来だったと思います。榎倉の発表はドクター入学以降初ということで,徐々に肩を温める良い機会でした。発表終了後はよくお話しさせていただく先生から,もっとこうした方がいいと有益なアドバイスをいただくこともできました。ざっくばらんに発表内容や昨今の研究動向など議論でき,また他学の学生の方の発表を聞くと,私も自身の研究や卒研生への研究指導をもっと頑張らねばと身が引き締まる思いがいたします。学会は研究者のオフ会との例えをどこかで聞いたことがありますが,まさにその通りでありまして,刺激をもらう絶好の機会だと改めて感じました。詳細な発表情報は下記のとおりです。
- Y-92 (YPC2): Hブリッジ方式昇降圧形双方向DC-DCコンバータにおける力行・回生切替時の変動抑制手法の提案,乾伊織・川上太知(大阪公立大学工業高等専門学校)・有澤浩一・豊留慎也・佐々木亮一(三菱電機)
- 1-31 (R1-7):ZETAコンバータの制御系における不安定要素を除去可能な動作範囲の解析,竹中敬士・乾伊織・榎倉浩志・川上太知(大阪公立大学工業高等専門学校)
- 3-52 (R3-12):永久磁石同期モータの直接トルク制御における簡便な磁束指令値計算方法の提案,榎倉浩志・井上征則・真田雅之(大阪公立大学)・川上太知(大阪公立大学工業高等専門学校)
企業展示で今回特に目を引いたのは,屋外に展示しておりました,日産自動車のフォーミュラEマシンでありました。自動車の電動化はかなり進んできている印象がありますが,F1にもその波が来ているようで,こちらでも乗用車同様,バッテリーの電力をいかに効率よく性能を落とすことなく発揮するかという「エネマネ」がキーポイントになるとのことです。昨今は航空機や二輪車も電動化が推進されており,今後もますますモータ・インバータの需要は伸びていくだろうと思います。一方で,電動化の大きなきっかけとなったPMモータおよびモータ制御の要素技術は研究分野ではかなり伸びきってきているのではないかとの肌間隔もあり,今後はインテグレーションの方向で伸ばしていくか,新たなブレークスルーが起きるか,いずれにしても単純に市場での需要は伸びつつも,研究としての需要の見通しはあまり見通しが良くないといった面もあろうかと思います。さて,そのほかの展示を周っておりますと,横河計測のブースではモータ計測機器が多数展示されておりました。4CHオシロスコープの複数台同期測定,スコープコーダによる長時間の過渡特性測定,パワープレシジョンアナライザによる高精度な電力測定など,モータ制御屋としては大変魅力に感じる展示でありました。
学会2日目の8/20(水)には懇親会がJRホテルクレメント徳島で催されました。産業応用部門大会の懇親会では例年,豪華な余興が見どころでありますが,今回は有名連による郷土芸能阿波おどりでありました。ただ鑑賞するだけでなく,会場にいる皆さんも一緒に踊ることとなり,改めて産業応用部門の活気を感じることができました。学生にとっても,学会の別の側面も体験できて,いい機会だったのではないかと思います。
また学会期間中に,Mathworks鎌谷様主催の懇親会もございました。こちらでは,本校の教職員・学生,近畿大学の南先生とその研究室学生に加え,米子高専の石倉先生が参加されました。大勢集まる会合ではなかなか話せない,内々の話や込み入ったことが話せる場があるのも,産業応用部門大会期間中の恒例となっております。
このほか,長岡技術科学大学の伊東先生が主催する高専パワエレフォーラム等イベントもございました。この回は産業応用部門大会と全国大会に併せて開催されておりまして,産業応用では教職員の教育現場での近況や課題等情報交換の場という位置づけとなっております。他高専や他学の先生方とまとまった時間を取って共有する機会はめったにありませんので,大変貴重な機会だと興味深く拝聴しておりました。
後はもちろん徳島ならではの,徳島ラーメンや半田手延べそうめん等いろいろな名物料理も堪能いたしました。学生も各々で観光を楽しんだようで,彼らに少しでも研究のモチベーション向上につなげてもらえたらと願っています。
次回の産業応用部門大会は仙台で開催されるとのことです。東北となるとなかなか遠方で,時間や費用の面から参加のハードルはやや上がりますが,参加できるよう調整しようと思います。まだまだ残暑が続き,その後は季節の変わり目となりますので,皆様も健やかにお過ごしくださいませ。
【榎倉】
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