数学

大阪公立大学高専の数学教育では、工学を学ぶ上で基礎となる数学および技術者として必要な数学的素養を習得できるようにカリキュラムが組まれています。

1, 2年次では高等学校のカリキュラムに準じた初等的な数学について学習します。

3年次には大学工学部1, 2年次に対応する微積分学や微分方程式、線形代数学などについて学習します。

4年次にはベクトル解析、複素解析、ラプラス変換、フーリエ解析、統計学を学習します。このように、5年間一貫教育の利点を活かした教科・内容が配置されています。

高専の4, 5年においては各専門科目の内容も高度となります。高専における数学教育では抽象性、論理性の訓練だけでなく、工学の各専門分野への応用も考え、数学的手法や計算技術を修得し活用する態度を身につけることに主眼を置いているのが特徴です。

2022年度より以下のカリキュラムで授業を展開します。

1年次:基礎数学A(前期週4時限)、基礎数学B(後期週4時限)、基礎数学C(2時限)

2年次:微分積分1(前期週4時限)、微分積分2(後期週4時限)、ベクトル・行列(2時限)

3年次:解析1(前期週4時限)、解析2(後期週4時限)、線形代数・微分方程式(2時限)

4年次:確率統計(2時限)、応用数学A(2時限)、応用数学B(2時限)、実践数学(2時限、4年次編入生対象)

それぞれの内容は主に以下の通りです。

基礎数学A:数とその計算について学んだのち2次関数のグラフと方程式・不等式の関係について学習します。また分数関数、無理関数について学習します。

基礎数学B:指数関数、対数関数、三角関数について学習します。また場合の数・二項定理、データの整理について学習します。

基礎数学C:整式の計算、整式の除法、集合と論理、等式と不等式の証明、点と直線、平面上の曲線、平面上の領域について学習します。

微分積分1:数列とその極限および整関数・分数関数・無理関数の微分法について学習します。

微分積分2:対数関数・指数関数・三角関数の微分法および整関数・分数関数・無理関数・対数関数・指数関数・三角関数の積分法について学習します。

ベクトル・行列:平面のベクトルと図形および空間のベクトルと図形の概念、行列、行列式について学習します。

解析11変数関数の微分積分法について、既習事項を基礎にして更に発展した概念について学習します。

解析2:解析1に続いて、広義積分について学習した後、多変数関数の微分積分法の基礎となる2変数関数の微分積分法について学習します。

線形代数・微分方程式:行列の一次変換、固有値と対角化について学習します。また1階および2階の微分方程式の解法について学習します。

確率統計:確率、統計について学習します。

応用数学A:複素解析、ラプラス変換、フーリエ解析について学習します。

応用数学B:ベクトル解析、ベクトル空間について学習します。

実践数学:演習を通して工学分野へ活用できる実践的な数学について学習します。